2012年、中国の高級品市場は成長率が30%から7%に減速する一方、 中国人消費者の高級品支出は米国人消費者を越えて世界最大に ~ベイン・アンド・カンパニー調査~

NEWS RELEASE

2012年、中国の高級品市場は成長率が30%から7%に減速する一方、
中国人消費者の高級品支出は米国人消費者を越えて世界最大に
~ベイン・アンド・カンパニー調査~

ベイン・アンド・カンパニーは、2012年の香港、台湾とマカオを含む大中華圏の高級品市場の成長率は、2011年に達成した30%から減速し、人民元建てで7%と予測しました。
この調査結果は、ベインの「世界の高級品市場レポート」を元にまとめられた、第5回「中国版 世界の高級品市場レポート」で発表されました。一方で、ユーロ安により、同市場の2012年の成長率は、ユーロ建てでは約20%と推測しております。経済や政治状況により不確定要素や困難が多い中でも、基本的な消費者の購買意欲はプラスであり、2013年はさらに市場拡大すると見込んでおります。

ベインの最新の調査によると、中国人消費者は世界の高級品市場の中心的顧客層となっており、ユーロ安と内外価格差により、その消費の6割が海外で行われています。マカオでの消費が増加傾向にある一方で、香港での消費は10%程度にまで落ち込んでいます。大中華圏の高級品消費量は、日本を抜いて米国に次ぐ第2位となりました。中国人消費者の高級品への支出は大中華圏外で最も伸びており、その成長率は31%となっております。こういった中国人消費者の海外での支出は、彼らを世界の高級品市場の最大顧客層に押し上げており、世界全体でみると、高級品個人購入者のうち4人に1人が中国人です。

ベイン・アンド・カンパニーの上海オフィスのパートナーで、今回の中国版調査を主導したブルーノ・ラネス(Bruno Lannes)は、「中国人消費者はいまや新興国のローカル消費者からグローバルな消費者セグメントへと変貌をとげ、世界の高級ブランド企業にとってこのセグメントでいかに成功するか、が鍵となっている」と指摘し、「彼らの要求する商品や購買パターンの変化を理解することが、高級品市場において非常に重要な検討課題となる」と述べております。

また、ベインの同調査によると、中国の消費者の間ではルイ・ヴィトン、シャネル、グッチが上位ブランドとしての地位を維持しています。これら上位ブランドの2012年の新規出店数は、2011年と比較して20%の減少となっておりますが、これは中国における候補立地での店舗展開が一段落したことを示唆しています。

本調査では、世界の高級品市場で勢力を増す中国人消費者について、主なトレンドを指摘しています。

  • 北京および上海の消費者は、先進国の消費者のように独自性や控えめな上質さといったものを高級品に求めるようになってきています。ベインの調査では、北京と上海の高級品消費者のうち65%が、ロゴ等が強調された高級品の購入を減らすと答えており、これら2都市以外の地域における同割合(10%)と大きな違いが表れています。
  • 若年層(25~35歳)は自分の個性に合う独自性のある商品や、ブランドとのコミュニケーションにインターネットや携帯端末を使うことを好んでいます。一方、中年層(35~45歳)はこれまでどおりステータスや特別感、店頭での体験などを重視しています。
  • 中国人消費者は、店舗でのサービスレベルに対する期待値を高めています。フランスやイタリアの店舗と同じような体験を中国国内の店舗でも期待しており、それは上質なサービス提供をしなければ、今後も国内ではなく海外旅行先に消費が流れてしまうことを意味しています。店舗でのサービス改善は、国内の既存店売上の成長に必須の課題となっています。
  • 高級品のオンライン販売が始まる中、マーケティングチャネルにも変化が見られます。中国人消費者にとってインターネットはマーケティングチャネルとしての重要性を増しており、既存の広告媒体やファッション雑誌を侵食しています。携帯端末上でのマーケティングはまだ小規模ですが、成長しています。また、ベインでは、多くのブランドがソーシャルメディアを活用したインターネット上のマーケティング戦略に力を入れようとしていると指摘しています。

ラネスはさらに、「中国国内での成長が鈍化している現状は、高級ブランド各社にとって、中国人消費者に対する全体戦略を再構築するよい機会である」とした上で、「しかし、市場のルールは変化している。高級ブランド企業はそのステータスやブランドにのみ頼らず、それぞれの顧客セグメントに対して適切な商品やサービスの提供をしなくてはならないという強いプレッシャーに直面している」と述べています。

ベイン・アンド・カンパニーの「中国版 世界の高級品市場レポート」についてのデータや、パートナーへの取材をご希望の方は、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン、マーケティング担当までご連絡ください。

ベイン・アンド・カンパニーの「世界の高級品市場レポート」について

ベイン・アンド・カンパニーは、イタリアの高級ブランドを統括するアルタガンマ財団と共同で、全世界約270の高級品企業やブランドに関する市場や財務実績の分析を行っています。「高級品世界市場観測」として知られる様々な企業のデータベースは、世界中の高級品業界にとって深い調査に基づいた一流の情報源となっています。ベイン・アンド・カンパニーは、1999年以降「世界の高級品市場レポート」を年次発行しています。

ベイン・アンド・カンパニーについて

1973年米国ボストンに創設。現在世界36カ国に55拠点のネットワークを展開し、約6,000名を擁する、世界有数の戦略コンサルティングファームです。クライアントとの共同プロジェクトを通じた結果主義へのこだわりをコンサルティングの信条としており、結果主義の実現のために高度なグローバル・チームワーク・カルチャーを特徴としています。1982年に設立された東京オフィスも、国内およびグローバル企業の最重要経営課題の解決と結果の実現のために邁進しており、収益のフルポテンシャル、事業再建、M&A戦略等の分野で高いシェアを有しています。

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