2014年の日本のプライベート・エクイティ市場は対前年比10%増、2015-2016年は一層の成長が期待される年に ~「日本のプライベート・エクイティ・レポート 2015年版」~

NEWS RELEASE

2015年第一四半期までの過去12か月の案件数は上昇に転じ、リミテッド・パートナーに投資リターンをもたらす好調なエグジット環境が継続

べイン・アンド・カンパニーが発表した「日本のプライベート・エクイティ・レポート 2015年版」によると、2014年の日本におけるプライベート・エクイティ(以下、PE)市場のディール規模は、対前年比10%増の6,000億円となり、過去5年間の平均と同程度と見込まれています。ここ数年の日本のPE市場規模は比較的安定して推移してきた一方で、市場成長の阻害要因となり得る要素も2つ存在しています。一つ目は、2,500万ドル以上の規模のプライマリー取引の減少です。2000年代半ばには年間30件以上存在していたこうした案件の数は、近年では年間約15件程度にまで減少しています。二つ目はMBO案件の減少です。堅調な日本経済による再生案件の減少、また株式価格の高騰により、MBO案件が限定的になる可能性も指摘されています。

これらの阻害要因を踏まえても、べインでは2015年から2016年にかけてのPE業界は市場成長の兆しが見えるとしています。2015年第一四半期までの過去12か月の案件数は上昇基調を示しており、特に5000万ドル以上の規模の案件においてその傾向は顕著となっています。また、近年の規制改革や投資家の意識の変化により、企業に対してノンコア資産や不採算事業の部分売却を求める圧力が高まると見られています。

べイン東京オフィスのパートナーである奥野慎太郎は「日本の大企業は投資目的以外に18兆円もの株式を保有しており、事業ポートフォリオには過去に買収したものも含め、多くのノンコア事業や不採算事業があります。株主資本利益率(ROE)への関心や保有株式についての説明責任の重要性が高まっていることにより、そういった株式の売却を求める圧力が強くなるでしょう」と指摘しています。

当レポートによると、案件価格は引き続き高値を維持することが予測されており、それによって投資家はより多くの資金を見込む必要があると言えます。2014年の日本のPE案件の「企業価値(Enterprise Value)/EBITDA」比率の中央値は9.9倍に上昇しました。このような高いマルチプルの要因は、株式価格の高騰や、手元資金が豊富な企業間における案件をめぐる競争、そして、PEファンドが2013年に147億ドル、2014年に78億ドル獲得した保有資金にあると言えます。

ベイン東京オフィスのプライベート・エクイティ・プラクティスのリーダーであり、当レポートの著者でもあるジム・ヴェルベーテンは「案件価格、特にオークション方式の案件価格は高値が続いており、今後もこの傾向は継続するでしょう」と述べています。また、「より魅力的な価格の案件は、相対取引案件や、入札者の限られたオークション取引となるでしょう」と指摘しています。

現在の日本のPE業界の動向に基づき、べインはPEファンドが市場平均を超えるリターンを生み出すために必要な3つの重要なアクションについて明らかにしています。

  • 創造的な案件の発掘:群衆を追いかけるのではなく、ファンド間の差別化を推進し、資本構造の柔軟性を向上させることにより、マルチプルが高くなりがちなオークション方式を回避することが重要です
  • ポートフォリオの企業の価値向上:企業経営の規律強化や価値向上プランの早期実行、プラン実行の2~3年後における価値向上プランの見直し、将来の成長に向けた事業の位置づけの明確化によるエグジット時の資産価格の最大化によって、ポートフォリオの企業の価値を向上させることが重要です
  • 収益性の高い案件への集中:不採算案件へ過度に注力するのではなく、収益性の高い案件に投資資金を割り当てることが重要です

ジム・ヴェルベーテンは「エグジット時の価格の最大化には、エグジットの1年~1年半前から企業価値向上へ取り組むことが必要です」と指摘しています。また、「PEファンドでは不採算案件をなんとか再生させようとすることもよくありますが、真の価値の最大化を実現するには「勝ち」案件をより成功させることです」と述べています。

ベイン・アンド・カンパニーの「日本のプライベート・エクイティ・レポート」についての詳細や、取材をご希望の方は、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン、マーケティング担当(03-6267-4880)までご連絡ください。

ベイン・アンド・カンパニーについて

1973年米国ボストンに創設。現在世界36カ国に55拠点のネットワークを展開し、約6,000名を擁する、世界有数の戦略コンサルティングファームです。クライアントとの共同プロジェクトを通じた結果主義へのこだわりをコンサルティングの信条としており、結果主義の実現のために高度なグローバル・チームワーク・カルチャーを特徴としています。1982年に設立された東京オフィスも、国内およびグローバル企業の最重要経営課題の解決と結果の実現のために邁進しており、収益のフルポテンシャル、事業再建、M&A戦略等の分野で高いシェアを有しています。

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