ベイン・アンド・カンパニー「世界の高級品市場レポート」続編 3億3,000万人の多様な消費者により世界の高級品市場は2,170億ユーロへ ~世界の高級品市場の「7つの新しい消費者セグメント」~

NEWS RELEASE

ベイン・アンド・カンパニー「世界の高級品市場レポート」続編
3億3,000万人の多様な消費者により世界の高級品市場は2,170億ユーロへ
アジアのPE市場、10年に及ぶ成長から先行き不安に直面
~世界の高級品市場の「7つの新しい消費者セグメント」~

ベイン・アンド・カンパニーは、 1995年から2013年末までの約20年間で、世界の高級品市場の消費者数が約9,000万人から3億3,000万人へ3倍以上に増加したと、先日ミラノで発表しました。この調査結果は世界の高級品市場のリーディングアドバイザーであるベインとヨーロッパ最大の独立系投資会社レッドバーン・パートナーズ(Redburn Partners)及び大手消費者調査会社のミルワード・ブラウン(Millward Brown)による10,000人を対象とした高級品市場の消費者調査レポート「世界の高級品消費者実態調査」の中で発表されました。

本レポートでは、高級品市場の消費者は今後年平均1,000万人増加し、2020年までに4億人、2030年までに5億人に到達すると予測されており、世界の高級品市場の消費者基盤が富裕層からより幅広い層へ変化していると指摘しています。ベイン・アンド・カンパニーのミラノオフィスのパートナーで、今回の調査を主導したクラウディア・ダルピツィオ(Claudia D'Arpizio)は、「戦いの争点は、急増する世界の高級品消費者をいかに捕らえるかである」と見ている一方で、「高級品ブランドは、将来的に多様化していく消費者に対応するために消費者戦略を見直す必要がある」と述べております。

現在3億3,000万人の高級品消費者のうち55%(1億8,000万人)は「高級」と「プレミアム」の間に属し、高級ブランドのセカンドラインや化粧品、アクセサリーなどの小物を購入している層です。この消費者グループは高級品市場の売上の約10%を占め、一人当たり年平均購入額は150ユーロとなります。残りの45%(1億5,000万人)は、世界の高級品市場の売上の約90%を占めている「真の高級品消費者」で、その一人当たり年平均購入額は1,250ユーロです。彼らは定期的に様々な種類、用途、価格帯の高級品を買い求めています。さらに、このグループの上位10%の消費者(1,500万人)でこのグループの消費額の半分以上を占めています。

新しい消費者像が混成しつつある中、ベインは世界の高級品市場で「7つの新しい消費者セグメント」を定義しました。7つの消費者セグメントとは、国や世代を越えた嗜好や購買行動の違いにより分類された、包括的な7つの消費者群です。

1.      雑食動物(The Omnivore(高級品市場規模の25%、年平均購入額2,350ユーロ):このセグメントは概して高級品を新たに購入し始めた人々です。平均的に他のセグメントよりも若く、様々なブランドや商品を試したいという欲求があります。主に女性であり、宝石類や時計などの高価格帯商品を購入する傾向にあります。また、ブランドの正規店で購入することを好み、旅行中に多くの商品を購入します。有名なブランドを好み、高級品ブランドを支持する一方で、特定のブランドに対するロイヤルティは他のセグメントと比較してあまり高くありません。このセグメントは中国の二級都市、三級都市で散見されます。

2.      評論家(The Opinionated(高級品市場規模の20%、年平均購入額1,750ユーロ): このセグメントは高学歴なジェネレーションX、Yの消費者です。主に革製品や時計を好み、ブランド間の違いに敏感です。インターネットやSNS上の情報に影響を受けやすく、主に居住地近郊で購入します。中国の一級都市の消費者の大半をこのセグメントが占め、西ヨーロッパや米国にも存在しています。

3.      投資家(The Investor(高級品市場規模の13%、年平均購入額1,450ユーロ): このセグメントは素材の品質や耐久性を非常に重視し、代々受け継いでいけるような普遍的な革製品や時計を好みます。高級品を購入する際には、他の購入者の意見などをもとに、慎重に検討します。このセグメントは日本や中東、その他意思決定を慎重に行う消費者が多い成熟市場に偏在しています。

4.      快楽主義者(The Hedonist(高級品市場規模の12%、年平均購入額1,100ユーロ):高級品やその購入体験に強い関心があるセグメントです。ブランドのロゴを好み、購入品の多くはアクセサリーです。このセグメントは、広告に最も強く影響を受けます。また、このセグメントは高級品を他人に見せることに興味があるにもかかわらず、購入後にしばしば感じる認知的不協和のため、特定ブランドへのロイヤルティは最低レベルです。このセグメントだけは全ての国や世代に存在しています。

5.      保守主義者(The Conservative (高級品市場規模の16%、年平均購入額1,000ユーロ):このセグメントは性別を問わず、成熟した主流の消費者で、有名ブランドの時計や宝石類を好みます。友人や家族の推奨に最も影響を受け、多数のブランドを取扱う店舗で購入します。このセグメントは主に成熟市場に存在していますが、中国にも存在しています。

6.      失望者(The Disillusioned(高級品市場規模の9%、年平均購入額800ユーロ):このセグメントは主に「高級品疲れ」をおこしているベビーブーマー世代で、革製品や美容用品を購入します。1シーズン以上使用することができる商品を求めており、ブランドメッセージや広告にはあまり影響されません。また、高級品の購入は不定期で、オンラインショッピングも行います。このセグメントは米国、ヨーロッパ、日本に存在し、その大半が女性です。

7.      願望者(The Wannabe(高級品市場規模の5%、年平均購入額500ユーロ):主にエントリーレベルで手頃な価格の美容用品や靴を求める女性の消費者であり、高級品以外のものも購入する場合が多いセグメントです。あまり高いブランドロイヤルティをもたず、友人の意見やファッション雑誌に影響を受ける衝動的な消費者です。このセグメントは主に世界中(特に米国、西ヨーロッパ)の中流層、及び東ヨーロッパの新しい消費者です。

これらのセグメントは特定の地域に集中して存在しているものの、世界中の主要高級品市場全域に存在しています。中国やその他新興国といった熱狂的な市場が、米国や西ヨーロッパのような成熟市場となり、高齢化により消費者が減少している日本のような市場になる、というのが全体のサイクルですが、状況は各国で異なります。例えば、中国の消費者は急速に多様化しており、高度に洗練された高級品消費者から高級品初心者まで広がりを見せています。全体的に中国人は最も「気前の良い」国民であり、購入商品の半分はギフト需要です(世界平均は40%)。

本レポートによると、ベビーブーマー世代が依然として高級品市場の大部分を占めており(高級品消費の45%)、彼らの消費行動や選好はベビーブーマーの子供世代(ジェネレーションY)と異なっています。若い世代(将来の消費者層)は高級品市場に好意的な一方で、インターネット初心者から上級者へ、伝統的なものからエッジのきいたものへ、熱狂的なファンから批判者へ、など、これまでの世代と異なった特性も持ち合わせています。この世代の高級品選好の多様化により、消費者像を捉えることはますます困難になっています。

ダルピツィオは「熱狂は時間とともに減少していくが、ブランドはその状況に手を拱いて待つか、消費者を再活性化するかどちらかである」と結論付けています。さらに「効果的に再活性化するためには、現在の消費者の要望を理解し、その基盤を維持する一方で、多様な高級品消費者セグメントを理解した上で、最も高い可能性を秘めたセグメントに徹底的にアプローチし、高級品の購買力がありつつも購入していない、今後の可能性がある新しい消費者の関心を集めるための投資を実施する必要がある」と述べています。

ベイン・アンド・カンパニーの「世界の高級品消費者実態調査」の詳細や、クラウディア・ダルピツィオへの取材をご希望の方は、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン、マーケティング担当までご連絡ください。

ベイン・アンド・カンパニーの「世界の高級品市場レポート」について

ベイン・アンド・カンパニーは、イタリアの高級ブランドを統括するアルタガンマ財団と共同で、全世界約270の高級品企業やブランドに関する市場や財務実績の分析を行っています。「高級品世界市場観測」として知られる様々な企業のデータベースは、世界中の高級品業界にとって深い調査に基づいた一流の情報源となっています。ベイン・アンド・カンパニーは、1999年以降「世界の高級品市場レポート」を年次発行しています。

ベイン・アンド・カンパニーについて

1973年米国ボストンに創設。現在世界36カ国に55拠点のネットワークを展開し、約6,000名を擁する、世界有数の戦略コンサルティングファームです。クライアントとの共同プロジェクトを通じた結果主義へのこだわりをコンサルティングの信条としており、結果主義の実現のために高度なグローバル・チームワーク・カルチャーを特徴としています。1982年に設立された東京オフィスも、国内およびグローバル企業の最重要経営課題の解決と結果の実現のために邁進しており、収益のフルポテンシャル、事業再建、M&A戦略等の分野で高いシェアを有しています。

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