Press release

『ベイン・アンド・カンパニーからの提言 日本の製造業がグローバルに競争力を取り戻すためには』プレスセミナーを実施

『ベイン・アンド・カンパニーからの提言 日本の製造業がグローバルに競争力を取り戻すためには』プレスセミナーを実施

ベインのパートナーによる解説 ー「攻め」のアクション:製造業からの脱却へ

  • 2023年2月7日
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Press release

『ベイン・アンド・カンパニーからの提言 日本の製造業がグローバルに競争力を取り戻すためには』プレスセミナーを実施

ベイン・アンド・カンパニー(以下ベイン、所在地:東京都港区赤坂)は、 「ベイン・アンド・カンパニーからの提言 日本の製造業がグローバルに競争力を取り戻すためには」と題したプレスセミナーを2023年1月27日(金)に実施いたしました。

 

■スピーカー

パートナー 西脇 文彦

 

■引き続き世界的不況が予想される2023年を製造業が生き抜くためには
2023年における日本の製造業は、過去40年で最大のインフレや、サプライチェーンのリスク、日米金利格差など、多くの課題に対応していかなければなりません。しかし、この危機を好機と捉え、「攻め」と「守り」の両面でのアクションを取ることでグローバルにおける競争優位性を獲得することが可能です。
セミナーの冒頭にて西脇は、今後の製造業において、ハードに頼った事業モデルは陳腐化すると前置きし、差別化の舞台はハード面からソフト面へ移行していくと指摘しています。


■グローバル製造業に起こる地殻変動:オートメーション業界を例に
製造業における利益の源泉が、ハードからソフト、そしてソリューションへシフトしていく例として、西脇はオートメーション業界を例に挙げながら解説しています。
オートメーション業界では、2020年から2030年にかけて著しい構造変化が生じます。ベインの分析によると、業界の市場規模は倍以上になる一方で、ハードウェアからの利益は約半分に低下してくると予想されます。この分析について西脇は「オートメーションの競争力の源泉が、ハードからソフトに移っていくことと、ハード自体の性能進化が限定的になり、競争が激しくなりコモディティ化していくため」と語っています。さらに、ハードウェア・ソフトウェア・サービスを一気通貫させた統合型ソリューションが新たなバリューチェーンとして台頭していくと述べています。また、ここ10年で、ハードウェア企業がソフトの企業を買収するなど、各レイヤーの棲み分けが曖昧になっているという状況がオートメーション業界に限らず製造業全体で起きている現状を分析しました。


■日本の製造業がグローバル競争に勝ち残っていくための「攻め」のアクション
 製造業における過去の競争ルールは、「より高度に」「より速く」「より壊れにくく」「より安く」といったハードの性能進化による差別化でした。しかし、もはやハード面での差別化は限界に近づき、これからの競争ルールは①ソフトウェア・システム構築力、②業界固有ソリューション、③新たな事業・収益モデルの3つに移行していくと西脇は主張します。
「ソフトウェア・システム構築力」では、自社製品と他社製品の連携を可能とするシステム構築・提供が求められます。実際、ここ2、3年でハードの企業がソフトの企業を買うという事例は増加傾向です。
「業界に特化したアプリケーションの開発」という点では、対象企業の業界への知見を活かしたソリューションを提供することが求められています。
「新たな事業・収益モデル」については、事業の “as-a-Service”モデル化がひとつの鍵を握っています。すなわち、製造業は単なる機器売りから、顧客とより価値・リスクを共有し、ソリューションを提供していく「リスク共有型の事業モデル」へ転換することが求められています。機器の稼働に応じた課金体系や成果に応じた契約形態といった事業形態へのシフトが例として挙げられます。


■製造業のソリューション化のヒントとしてのESGへの投資
「気候変動の問題は大きな課題であると同時に、ソリューション化をしていく上でひとつの大きな機会である」と西脇は強調し、温暖化ガス排出ネットゼロの実現に向けて、製造業企業が取り組むべき3つの優先課題を挙げています。
第一に挙げられるのが「循環型事業の取り組み加速」です。排出量ネットゼロに向けて、製造業は自社内での削減(スコープ1,2)だけでなく、関連企業の削減(スコープ3)へのアクションをしていく必要があります。具体的には、リサイクル可能な部品や製品の開発、再利用できる事業形態が挙げられます。
次に、売り切り型から“as-a-Service”事業モデルへの移行を加速させる「サービス型事業モデルの拡大」も取り組むべき課題のひとつです。遠隔監視の活用による予防保全や買い替え時の下取り・再販といった循環型サービスをビジネスモデルへ取り入れていくことが重要性を増しています。
三点目は「希少材料の調達源の確保」です。地政学に左右されない調達源確保や、特定の希少材料に依存しない製品の開発は、事業継続性の観点から強く求められています。

 足元の課題に対して「守り」に入るだけでなく、景気後退後を見据えた「攻め」のアクションが、日本の製造業をグローバルでの競争力を取り戻すために非常に重要であると、最後に西脇は締めくくりました。

 

本件についてのお問い合わせ先

ベイン・アンド・カンパニー マーケティング/広報
Tel. 03-4563-1103 / marketing.tokyo@bain.com

ベイン・アンド・カンパニーについて

ベイン・アンド・カンパニーは、未来を切り開き、変革を起こそうとしている世界のビジネス・リーダーを支援しているコンサルティングファームです。1973年の創設以来、クライアントの成功をベインの成功指標とし、世界40か国65都市にネットワークを展開しています。クライアントが厳しい競争環境の中でも成長し続け、クライアントと共通の目標に向かって「結果」を出せるように支援しています。私たちは持続可能で優れた結果をより早く提供するために、様々な業界や経営テーマにおける知識を統合し、外部の厳選されたデジタル企業等とも提携しながらクライアントごとにカスタマイズしたコンサルティング活動を行っています。また、教育、人種問題、社会正義、経済発展、環境などの世界が抱える緊急課題に取り組んでいる非営利団体に対し、プロボノコンサルティングサービスを提供することで社会に貢献しています。

商号  : ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
所在地 : 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー37階
URL   : https://www.bain.co.jp