Press release

ベイン・アンド・カンパニーからの提言 「危機こそが好機:M&A 市場の今後の展望と日本企業への示唆」プレスセミナーを実施

ベイン・アンド・カンパニーからの提言 「危機こそが好機:M&A 市場の今後の展望と日本企業への示唆」プレスセミナーを実施

  • 2023年4月24日
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Press release

ベイン・アンド・カンパニーからの提言 「危機こそが好機:M&A 市場の今後の展望と日本企業への示唆」プレスセミナーを実施

戦略コンサルティングファームであるベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド (以下ベイン、所在地:東京都港区赤坂)は「ベイン・アンド・カンパニーからの提言 危機こそが好機: M&A 市場の今後の展望と日本企業への示唆」と題したプレスセミナーを 2023 年 4 月 14 日(金)に実施 いたしました。

 

■スピーカー

パートナー 大原 崇

 

■ 本会のキーポイント

• グローバル M&A 市場は、案件の小型化に伴い 2022 年の取引額は約 4 割減(対 21 年比)

• 23 年も引き続き小型案件が主体になりそうだが、企業の戦略実行ツールとしての M&A への期待・信頼は むしろ高まっている

• 一方、日本の M&A 市場は昨年も比較的安定しており(2022 年の取引額は約 1 割減)、今後に向けても明 るい材料が存在(企業の豊富なキャッシュ+PE の活発な活動)

• 日本企業は、成長戦略実現に向けて、M&A を最大限活用するための 5 つのアクションを今こそ取るべき

 

■減少傾向にあった2022年のグローバルM&A市場

大原は冒頭、今回のプレスセミナーは、ベイン・アンド・カンパニーが毎年発行している『グローバルM&Aレポート』より、グローバルにおけるM&A市場のトレンドを抽出し、日本市場における追加的な分析・日本企業に向けた意味合いを組み込んでいると説明しました。2022年のグローバルM&A市場において戦略的M&Aは、景気後退や激しい金利の変動など、不確実性による金額の大幅な縮小がありました。取引額はマイナス32%とコロナ前の水準を下回り、マルチプルは10年ぶりの低水準になり、取引数は小規模ながら減少しました。しかし「このような縮小傾向の中でもM&Aの価値は変わらない」と大原は強調しました。リーマンショック時にM&Aを実施した企業は、株主へのリターンが高かったという結果があり、今回の景気後退でも同じであろうと大原は予想しています。

■2022年の日本におけるM&A市場と特徴

 2022年の日本におけるM&A市場は、グローバルと同じく減少傾向を見せました。しかし、グローバルに比べると減り幅が圧倒的に少なく、21年比で約1割にとどまりました。件数ベースではむしろ増加しており、「案件の小型化とともに案件そのものが動いている」「2022年は日本のM&A市場において非常に重要な年だった」との見解を示しました。また、日本市場に特徴的な点として、PE領域におけるディールの増加傾向が挙げられます。この傾向は20年、21年ベースでも同様で、2023年においてもこのトレンドはある程度続いていくだろうと大原は予想します。日本においてPEが活発である要因として二つのマクロ要因が挙げられます。一つは、中国への投資にブレーキがかかった影響で日本を含むAPAC他地域へ資金が流入したこと。二つ目が、日本のインフレ率が相対的に低く、ディールを成立させるためのハードルが低いことです。この二つの要因が、日本におけるPE領域に追い風をもたらしていると大原は解説しました。

■景気後退期の経営判断がその後の明暗を分ける─「新たな勝者」になるために

このような状況を受けて、大原は日本企業が取るべき5つのアクションを紹介しました。

①景気停滞期におけるM&A実行の価値を認識し、23年を自社の成長戦略を見直す絶好の機会と位置づける

景気後退時にM&Aを正しく実行することは、企業価値の向上に繋がります。M&Aの位置づけを見直し、危機を好機ととらえることが重要です。リーマンショックのような景気後退後に「新たな勝者」となった企業は景気後退時に利益を上げているほか、景気回復時に利益を急成長させています。一方で、「沈み行く船」となる企業は景気後退時に機会を損失し、景気回復時も業績の回復に伸び悩みます。この差が生まれる一つの要因としてM&Aが挙げられます。リーマンショック時に一回以上買収をした企業は、そうでない企業を大きく上回る業績をあげています。

②事業ポートフォリオ再編・資金確保に向けて事業売却を積極活用

事業ポートフォリオを見つめ、必要な事業売却は積極的に実施する。

③M&Aを“Engine2”(現在のコア事業に続く「次の成長エンジン」)構築にフル活用

ロケットがより高く昇っていくためには、第一のエンジンの他に、より高くロケットを押し上げる第二のエンジン“Engine2”が重要です。「企業の活動も同様、既存のコア事業に依存していると長期的な成長は望めない。次のエンジンをつくることが成長戦略上の大きなテーマとなる。そのためにM&Aをフル活用することが重要である」と大原は強調しました。

④何のために何を買うのか?という戦略の明確化、および買収候補スクリーニングへの投資を惜しまない

景気後退期はM&Aそのものに対しての難易度は上がっています。M&Aの目的意識の明確化や買収候補へのスクリーニングなど、正しいM&Aに労力を割くことを惜しまないことが肝要です。

⑤難易度の高い「変革型」M&Aには、カルチャーの維持融合を含めた3つの処方箋を活用

事業ポートフォリオを大きく変化させるようなM&Aを実施する際には、「M&Aの目的・統合ビジョンの明確化」、「買収先企業の良さを活かす融合」、「M&Aケイパビリティ・プレイブックの整備」の3つの要件への重点的取り組みが必須であると大原は解説しました。

 

本件についてのお問い合わせ先

ベイン・アンド・カンパニー マーケティング/広報
Tel. 03-4563-1103 / marketing.tokyo@bain.com

ベイン・アンド・カンパニーについて

ベイン・アンド・カンパニーは、未来を切り開き、変革を起こそうとしている世界のビジネス・リーダーを支援しているコンサルティングファームです。1973年の創設以来、クライアントの成功をベインの成功指標とし、世界40か国65都市にネットワークを展開しています。クライアントが厳しい競争環境の中でも成長し続け、クライアントと共通の目標に向かって「結果」を出せるように支援しています。私たちは持続可能で優れた結果をより早く提供するために、様々な業界や経営テーマにおける知識を統合し、外部の厳選されたデジタル企業等とも提携しながらクライアントごとにカスタマイズしたコンサルティング活動を行っています。また、教育、人種問題、社会正義、経済発展、環境などの世界が抱える緊急課題に取り組んでいる非営利団体に対し、プロボノコンサルティングサービスを提供することで社会に貢献しています。

商号  : ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
所在地 : 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー37階
URL   : https://www.bain.co.jp