Press release

「2023年秋、世界高級品市場レポート」を発行

「2023年秋、世界高級品市場レポート」を発行

2023年の世界の高級品市場は、ラグジュアリーな体験を求める消費者に牽引され、記録的水準の1.5兆ユーロに達する見込み

  • 2023年11月29日
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「2023年秋、世界高級品市場レポート」を発行

ベイン・アンド・カンパニーは、イタリアの高級品メーカーの業界団体であるアルタガンマ財団と共同で「2023年秋、世界高級品市場レポート」を発行しました。2023年の世界高級品市場は、2022年比で8~10%成長し、1.5兆ユーロに到達する見込みです。この記録的成長は、市場の力強い回復力を証明するもので、特に体験型サービスに対する需要は、社会的交流や旅行の再開が原動力となり、歴史的水準に達しています。

マクロ経済は依然厳しい状況が続いているものの、市場は11~13%という安定したペースで成長しています。これは2022年と同水準の成長率で、高級品カテゴリー全体では約1,600億ユーロ増となっています。

地政学的緊張やマクロ経済の変動にも関わらず、今年の高級品市場は今までにない程の堅調さを見せています。主要セグメントである個人向け高級品市場は、2022年に続き2023年も力強い成長を遂げており、年末には市場規模が3,620億ユーロに達し、現在の為替レートで換算すると2022年比で4%高い数字になる見込みです。ただし、プラス成長を記録した高級品ブランドの割合は、昨年が約95%であったのに対し、2023年は65~70%となっています。

 

・地域別の傾向:欧州の観光業は回復、米国の消費は減速、アジアの高級品市場は中国の消費者によって拡大

観光客の高級品消費額はグローバル全体でほぼパンデミック前の水準に回復しており、多数の地域でさらなる拡大の余地が見られます。

欧州:主要高級リゾート地で長期滞在を行う高額消費者の増加が見られるなど、観光業の拡大を受けて地域全体で消費は増加傾向にあります。

米国:2023年の高級品消費は通年で見ると減速しており、2022年比で8%の減少となっています。景気の先行きが引き続き不透明であるため、高級品志向の高い消費者の購買行動に陰りが見られます。最富裕層は高い消費力を保っているものの、対ユーロの米ドル高基調を背景に、内外価格差が海外での購買を促進しています。

中国:第1四半期の経済活動再開後には、著しい市場成長が観測されましたがマクロ経済が新たな局面に入ったことにより、徐々に減速しています。海南島は高級ブランドの中心地として成長してきており、2025年には島全域が免税エリアになる計画です。

日本:国内消費者による堅調な購買と円安による海外観光客の増加を背景に、著しい成長を遂げています。

 

・2030年の高級品市場予測

2030年までの見通しとしては、浮き沈みはあるものの市場経済の基盤は堅調を維持し、市場成長の加速が期待されています。個人向け高級品市場の国別シェアを見ると、中国が35~40%、欧米は合わせて約40%となる見込みです。また、オンライン・モノブランドチャネルが2030年までに市場全体の2/3を占める予測です。このような状況でブランドが成長を遂げるためには、顧客接点の形態に関わらず、顧客ジャーニー全体で差別化された価値の高い顧客体験を提供する必要があります。また、サステナビリティの取り組みを主導し、新たなテクノロジーを積極的に導入するといった業界の重要課題に対応すべく、M&Aの動きも活発化することが予測されます。

短期的な課題解決のためには、柔軟性の高い組織構造を構築し、ガバナンス体制やプロセスの最適化によって効率を高めるなど、変化に対し機敏に適応していくことが求められます。そして長期的な成功を実現させるためには、目的を明確にした上で適切な戦略を立案・実行することが重要です。競争の厳しさが増している市場で勝ち抜くには、創造性やイノベーションの強化に注力し、顧客との関連性を強める必要があります。このような戦略を遂行していくことで、ブランドのファンを育て、顧客層を広げることに繋がっていきます。

 

【本件についてのお問い合わせ先】

ベイン・アンド・カンパニー マーケティング/広報

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